なみだは流れない

 

4日前、恋人に別れを告げられた。

 

前日の日曜日には2人で美術館を巡って、大好きなCHARMPARKのライブをみて、夕飯を食べて帰った。ライブはチャームもバンドメンバーもとっても楽しそうで、それを見たわたしもとっても楽しくて、最高に贅沢な時間だった。

恋人に『良いライブの後は「明日も頑張ろう」という気持ちになる』と言ったのを覚えてる。

 

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翌日の朝、いつものように洗面台の前で準備をしていると、iPhoneに LINEの通知が表示された。

「話があるから今日電話できる?」

昨晩送った内容に一切触れない要件だけのLINEに、わたしの顔からスッと表情が消えた気がする。その割に仕事には集中していたようで、書き上がった図面を見て自分に驚いた。

 

その日の夜、「お別れしましょう」の第一声から始まり、こういう所が嫌だった、もっとこうしてほしかった等、「おまえ言うことメモアプリに書き留めてるな?」と思う程つらつらとノンストップで不満を述べられた。中盤に判明したが、やはりメモアプリ書き留め芸人で毎回デートの帰りにやっていたらしい。普通に嫌だ、その都度言ってくれ。

 

 

 

 

彼とはマッチングアプリで知り合って、付き合い始めて二ヶ月とちょっとだった。

 

この二ヶ月ちょっとを振り返ってみると、元彼のトラウマもあって、結果的には彼のことを信頼できていなかったんだなと思う。

トラウマを作った元彼ともマッチングアプリがきっかけだった。付き合い始めの頃「アプリはもう辞めた」と聞いてたけど、嫌な予感がして友達に検索してもらったら辞めてなくて、いいねの数も増えていた。

ふざけるな、なめんな、悲しい、裏切られた。

マッチングアプリで出会った男性で、早い段階で関係を持とうとする人は信用できない。そういう固定観念がこの時出来上がって、ずっとこころの奥底に沈んでいたんだと思う。

自分自身こんなにトラウマになってるとは思ってもみなくて、気づいたのは彼との通話を切った後だった。

 

 

考えて考えて考え続けて、色々な感情が形を変えてなくなるまで待つしかない。

彼も同じくらい傷付けばいいなんて、こんな呪いみたいな気持ち、明日にはなくなっていてほしい。